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【第十四話】パワースポット『河内の大スギ』

 河内(こうち)の大スギは「ぬまづの宝100選」に選ばれ、昭和54年に沼津市の天然記念物となり、平成14年には静岡県の天然記念物に指定されています。
 河内の大スギはスギとしては珍しく地上約3.5mという低い場所で7本に枝分かれしています。根廻りは13mあり、枝振りは東西南北へ8.4mから12.2m伸びていて、沼津市内では最大のスギです。伊豆半島では幹周8メートルを超える大スギは天城の太郎杉、シラヌタの大杉、河内の大スギの3本しかありません。
 金冠山(816m)の中腹、海抜450mの堂山という場所にあります。堂山一帯は、かつて樹齢100年を超えるマツやスギが約60haにわたり生い茂る美しい林で、戦前はこの地区から多くの品質の良い木材を産出していました。昭和16年にこの付近のスギが伐採されたとき、この木にだけ特別に神々しく神聖な様相を呈しているため伐採することが憚られました。そこで『老杉の記』という記念碑を建立しその偉容を称えることになりました。推定樹齢は約400年とされていますが、当地には大同年間(806~810年)弘法大師が修善寺奥ノ院開基の際、この地に来て木の下に虚空蔵菩薩像を安置したという伝承が残されています。虚空蔵菩薩とは「広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲を持った菩薩」という意味で、智恵や知識、記憶力といった面での利益をもたらす菩薩といわれています。受験などのパワースポットとして訪れてみてはいかがでしょうか。
 行き方は、松濤館から海沿いを西に向かい木負あたりから河内川沿いに山の方へ向かいます。舗装がされてはいますが車1台通れるだけの林道を走ります。最初はみかん畑の風景の中を通ります。山を登るにつれスギの林が次第に多くなってきます。林道に白い標柱が建てられていて、大スギへ続く山道の入口の案内があり、スギに囲まれた山道を真っ直ぐ進んで行くと約10分ほどで到着します。松濤館からは約30分ほどの行程となります。尚、途中には大滝不動や稲荷スギもあります。
 河内の大スギは、平成29年に日本テレビ系で放送されたTVドラマ『フランケンシュタインの恋』(主演・綾野剛)のロケ地にもなっています。