【第三十五話】大瀬まつり
毎年4月4日に開催される大瀬(おせ)神社の「大瀬まつり」 豊漁や海の安全を願う例大祭。
大瀬神社の祭神が鎮まった日(人間で言うと誕生日)が4月4日で、毎年この日に例大祭が行われます。
明治時代から続く伝統の祭りで、大瀬神社の祭神:引手力命(ひきてちからのみこと)が
男の神様なので、漁師や地元の青年たちが女装し参拝致します。
当時は女性が船に乗ることができなかったため、このような風習が生まれたといわれております。
大瀬神社の神様を喜ばせるために漁師たちが女装し、妻は夫の安全を願って長襦袢を託したのが
そもそもの始まりといわれております。
青年たちは、長襦袢を身にまとい、顔を白塗りにし真っ赤な口紅も欠かせません。
大漁旗や杉、桜の枝などで華やかに装飾された漁船。
女装した青年たちが両手に持った扇子を揺らし、勇み踊りで乱舞。
太鼓や笛、しゃぎりの音色に合わせ
「ちゃんちゃらおかし、ちゃらおかし。あのこのしゃっつら、まだおかし」
のお囃子が海上から響き渡ります。
この勇み踊り、昔は「馬鹿踊り」と呼ばれていたこともあったとのこと、
女装した青年たちを乗せた船は、大瀬崎にある大瀬神社へと向かうのであります。