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【第六話】絶景の城址『長浜城跡』

 【第三話】で「お城ネタ」をお送り致しましたが、松濤館から南西の内浦湾沿いに長浜城跡があります。長浜城は戦国時代に北条氏の水軍の拠点として築城されました。
 松濤館と長浜城のある内浦湾は、駿河湾が奥深く入り込んだ奥駿河湾の最奥部の更に奥にある湾です。長浜城はこの内浦湾の海岸に面して築城されていました。長浜城の西側には長井崎と呼ばれる岬があり、また湾の北側には淡島があります。長井崎と淡島に囲まれた内浦の海は、風や波が遮られるためとても穏やかで、しかも海岸線からわずか10m程度で水深が15mと急に深くなっているため船が停泊するのに最適なのです。また岬と淡島に囲まれた湾は防御の面からも好都合だったのでしょう。
 天正8年(1580年)、武田・北条両氏の水軍による駿河湾海戦が勃発しました。天正18年(1590年)、豊臣秀吉が小田原に攻め込んだことにより、水軍も小田原に集結することになり、長浜城の必要性がなくなったことから廃城となりました。
 その後、旧三井財閥の別荘が建っていましたが、昭和40年代に取り壊されました。昭和60年には市教委の調査が実施され、4つの曲輪(城郭の中の平場)と15の腰曲輪、曲輪上の土塁跡や6基の掘切等が発見されています。
 平成27年に史跡公園としてオープンし、約400年前の姿が復元された城跡を公開しています。 長浜城跡は「ぬまづの宝100選」に選ばれています。松濤館からは歩いて行けますので、お散歩に行かれるお客様も多くいらっしゃいます。松濤館から見た景色とは別の角度の絶景をご覧頂くことができます。映画『男はつらいよ 寅次郎心の旅路(第41作・1989年8月5日公開)』で長浜城跡近くからみた景色がエンディングに映し出されています。